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執筆者の写真株式会社SG 代表取締役 庄司

Amazon Key for Business~集合住宅の共同玄関の自動ロックを宅配配達員が解除してお届け?

更新日:10月25日



Amazon Key for Business~集合住宅の共同玄関の自動ロックを宅配配達員が解除してお届け?


2021年2月 運送会社からすると俄には信じられないニュースが飛び込んできました。

Amazon(アマゾンジャパン合同会社)が新たなサービスを導入しました。


そのサービスとは・・・


~Amazon Key for Business~「集合住宅の共同玄関の自動ロックを宅配配達員が解除して、家の玄関前に置き配をする」


という内容。今までの常識を大幅に覆すサービスが誕生しました。

 当記事ではKey for Businessについて解説します。


 

目次

 

 ●Amazonが仕掛ける最新物流事情

 ●「Key for Business」がもたらす影響について

 ●まとめ

 


■Key for Businessとは

 マンション(集合住宅)の自動ロックの共同玄関にあるインターホンシステムに、Amazon Key for Businessの専用特殊機器の設置を物件のオーナーや管理会社が予め許可することで、Amazonが委託した配達ドライバーが自動解除による入館が許可されるという仕組みであり、2021年3月時点では、まずは全国200棟の集合住宅での導入予定とリリースしている。


<実際の方法>

 アマゾン委託ドライバー(配送員)は、専用特殊機器の設置を導入したマンションの共用玄関にあるインターホンシステムにて、スマートフォンのドライバー専用アプリを操作することで、オートロックを解除が可能となる。 


 原則、マンションに入館許可(解除可能)なのは、1注文につき1回限りとなっている。

配達員が入館後に置き配による配達完了をドライバー専用端末にて入力すると、マンションの共同玄関の自動ロックを解除する期限は切れるため、同じマンションへの入館は、次の置き配の荷物発生しない限り、例え同日であっても同様の方法でマンション入館へのはできなくなる。

 賃貸物件管理会社である大東建託パートナーズと警備会社最大手である綜合警備保障会社(ALSOK)などと協力し、マンション導入許可を進めていくという。

アマゾンジャパンは、集合住宅(マンション)では「自動ロック(オートロック)付きの共同玄関であれば、どのような設備でも導入が可能」としている。


Amazonが仕掛ける最新物流事情

 Amazonではいくつかの物流改革を目指している。

 Amazonでは物流用に航空機の購入を進めており、2021年末には物流最大手であるDHLの保有している物流航空機の数を上回る予定であり、大幅に自前の航空機による貨物輸送体制を進めようとしている。


<置き配を推進>

 Amazonは2020年3月より置き配(予め指定された場所への配達※玄関前・宅配ボックスなど)を推進しており、急速に増え続けるEC需要に対して、再配達を少なくすることがドライバーコストやCO2削減になると訴え続けており、物流におけるSDGsな取組を推奨してます。

今回のKey for Businessリリースは、置き配を急速に後押しすることは間違いなく、他の運送会社や他のECモールに与える影響もかなりあると推認されます。


 過去の注文データを分析して、在宅可能性の高い曜日や時間帯を自動予測して、商品を届ける新たな配送方法を2021年1月より始めている。

新型コロナウイルスの感染拡大で通販サービスの利用急増がある一方で、日本の不動産の特徴からも全てを置き配にすることは困難である。

このため、Amazonでは再配達依頼の多い利用者より先行検証対象にして、過去の配達履歴から購入者の生活パターンを予測することで、商品を受け取り確率の高い曜日や時間帯を推定しで配達日時を設定する試験を開始した。

 これだけでもAmazonは日本の物流環境を大きく変えようとしている訳だが、米国Amazonでは更に進んだサービスに取り組んでおり、ドライバーの車内にAIを導入してドライバーの危険運転などを注意したり、ドローンが配達を行ったり、2014年よりニューヨークのマンハッタン内であれば注文後1時間以内に自転車に乗ったドライバーが配送してくれたりと想像できる全ての物流最適化を行っている。

このため、逆にいえば日本の物流業界は世界から見れば、大幅に出遅れておりLDC(後発開発途上国/発展途上国)なわけである。



「Key for Business」がもたらす影響について

 今後、国内大手のECモールや物流会社も「Key for Business」に追随することは容易に想像できます。ヤマト運輸では、「EAZY」というサービス名で受け取り方法選択型サービスのリリースがされていましたが、複数社のオートロックキーを同時に管理できるプラットフォームを開発し、配達情報と連動することでのオートロックの解錠が可能な機能を追加しています。3月上旬から東京都内において複数のデジタルキーを対象に実験を開始し2021年度中に全国約1万棟での展開を進めることを発表しています。


 10年前は、宅配ボックスの有無で物件を選んだり、住宅情報サイトで宅配ボックスの有無をフィルターすることなど考えもしませんでしたが、今では当たり前となっています。いずれ、物件を選ぶ際に「Key for Business」や「EAZY」などの共同玄関自動ロック解除システムが導入有無を選定する条件となる日もそう遠くない未来に訪れると思います。



●まとめ

 「Key for Business」や「EAZY」などの共同玄関自動ロック解除システムが軽貨物業界に与える影響は今後大きいです。

何故なら軽貨物車両は車両サイズが最大積載量350KGほどしかないため、小さな荷物を近距離で配送することに優れています。

このため、置き配として想定される荷物のサイズは、まさに軽貨物が最適なサイズとなるため実際に「Key for Business」を利用する配達員の大多数は軽貨物ドライバーとなります。ますます需要数の増加する軽貨物業界ですが、需要に比べて供給量(人材数)が少ない状況です。


弊社でもドライバーを募集しておりますので、是非お問合せくださいませ♪


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